地蔵菩薩
最近、地蔵菩薩に縁がある。
父の49日の後、何かに吸い付けられるように車を走らせ辿り着いた地元の田舎の「〇〇森地蔵」。登っていくと山の上にお堂と、崖に空いた穴にお地蔵さまが祀ってあった。
ここも文覚上人が開祖。
お堂の裏には何十年も前に子供たちが掛けた文殊様の絵馬が残っていた。
多分80年代後半。
子供たちの願いは大半が「勉強ができるようになりますように」と「ファミコンがもらえますように」の2つだった。
未来はのんきで平和で裕福なはずだったバブル前のあの頃。
学校から帰ると「ペンギン村からおはこんばんちは」のアニメを見てご飯が待っていた、懐かしき今はなきユートピア。
私は泣いた。
気が済むまでそこにいて、首都圏へ戻った。
それから数日して、Y子さんと鎌倉散策をした。Y子さんの知り合いのカレー屋さんに教えてもらった鎌倉でイチ押しの神社と寺「八雲神社」と「宝戒寺」へ行った。
宝戒寺の地蔵菩薩が素晴らしかった。
縁を感じた。
そこの地蔵は「鎌倉二十四地蔵」の第一番札所だった。
それが私が鎌倉二十四地蔵巡りを始めたきっかけである。
ご朱印はもらわない。入場料が必要な寺が多いので、お布施はそれだけでよしとする。
今、第四番の杉本寺。次は光触寺。
第四、第五は前に行ったことはあるが、第一~第三は初めての寺で、
「こんな景色があったのか」と新しい驚きがある。
以前から時間ができたら鎌倉寺巡りをしてみたいと思っていたのでちょうどよい。
全部巡る頃にはこの地域の旧跡に対して思い残すことはなくなっているだろう。
新しい場所に移るまで、見るものは沢山あるのだ。